2007年04月13日

ハチのお話 「空」

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玄関のベルが鳴りました。ドアを開けると、ハチが入ってきました。

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「こんにちは。流しのマンドリン弾きです」
ハチは、にっこり笑いました。

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「どこから来たの?」
私は尋ねました。
「空から」
ハチは答えました。

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「ううん、そういう意味じゃなくて、ほら、あるでしょ。どこどこの町から来ましたとか、どこどこの国から来ました、とかさ」
するとハチは言いました。
「どんな意味だろうと、空は空です。空はひとつしかないでしょ」

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「ぼくたちには、町の名前も国の名前も関係ないんですよ。空といえば空。どこまでいっても空は空ですから」

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ハチは、ぽろろんとマンドリンを爪弾きました。同時に羽もブーンと低い音で鳴らしました。
重なった音色は、まるで子守歌のようでした。

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私は目を閉じました。
するとそこに、どこまでもどこまでも繋がる空が広がっていました。


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